新しく買ったバッグやソファから、ツンとした化学的なにおいがする。あるいは、しばらく使っていた合皮の財布やジャケットから、なんとも言えないにおいが出てきた──そんな経験はありませんか?
合皮(ごうひ)は本革に比べてお手頃で、水にも強い便利な素材です。ただ、独特のにおいが気になりやすいという一面もあります。実は、合皮のにおいには「新品のにおい」と「使っているうちに出てくるにおい」の2種類があり、それぞれ原因が違います。
この記事では、合皮が臭くなる原因から、自分でできる消臭方法、そしてにおいを防ぐコツまで順番に見ていきましょう。
合皮が臭い3つの原因
「合皮のにおい」といっても、原因は一つではありません。どのタイプに当てはまるかで対処法も変わってくるので、まずは原因を整理してみます。
① 製造時に使われた化学物質のにおい
新品の合皮製品から感じる、ツンとした刺激のあるにおいの正体がこれです。
合皮は、布地の表面にポリウレタンや塩化ビニルをコーティングして作られています。この工程で使われる接着剤・溶剤・可塑剤(かそざい:素材を柔らかくする薬品)などが、製品になったあともしばらく揮発し続けます。とくにPVCレザー(塩化ビニル製)は可塑剤を多く含むため、においが強い傾向があります。
このにおいは時間が経つと自然に弱まっていくことがほとんどです。ただ、密閉されたパッケージから開封した直後は、こもっていた分だけ強く感じることがあります。
② 汗や皮脂が染み込んで雑菌が繁殖している
しばらく使っていた合皮から出てくる、すっぱいような・こもったようなにおいは、汗や皮脂の蓄積が原因であることが多いです。
合皮は本革と違って通気性がほとんどありません。そのため、手で持つバッグのハンドル部分や、肌に触れるソファの座面、靴の内側などに汗や皮脂がたまりやすく、そこで雑菌が繁殖してにおいが出てきます。
夏場や、手汗をかきやすい方は特にこの原因が当てはまりやすいです。
③ 保管中に湿気がこもってカビが発生している
クローゼットや押し入れにしまっていた合皮製品を久しぶりに出したら、カビっぽいにおいがする──これは保管環境の湿気が原因です。
合皮は湿気を逃がしにくい素材なので、通気の悪い場所にしまい込むと内部に湿気がたまりやすくなります。とくにビニール袋に入れたまま保管していたり、梅雨時期をまたいで長期間しまっていたりすると、カビが発生してにおいの原因になります。
目に見えるカビがなくても、においだけ先に気づくことがあります。その場合でも、表面や裏地にカビの菌がいる可能性があるので、消臭だけでなくカビ対策もしておくと安心です。
合皮の臭いを取る4つの方法

原因がわかったところで、ここからは自分でできる消臭方法を紹介します。においのタイプに合わせて、効果的な方法を選んでみてください。
① 風通しのよい場所で陰干しする
一番手軽で、化学臭(新品のにおい)にとくに効果的な方法です。
やり方はシンプルで、風通しのよい日陰に数日〜1週間ほど置いておくだけ。揮発性の化学物質が空気中に抜けていくことで、においが薄れていきます。
ポイント
- 直射日光は合皮を傷めるので、必ず日陰で
- 室内なら窓を開けて風が通る場所に置く
- バッグなら口を開けて、靴なら中敷きを外して風を通す
「開封してすぐ使いたいのに、においが気になる」という場合は、まずこの方法を試してみてください。
② 重曹をふりかけて臭いを吸着させる
重曹(じゅうそう)には、においの成分を吸着する性質があります。化学臭にも、汗・皮脂のにおいにも幅広く使える方法です。
やり方
- ビニール袋や大きめのポリ袋に合皮製品を入れる
- 重曹を大さじ3〜5杯ほどふりかける(直接ふりかけたくない場合は、お茶パックや靴下に入れてもOK)
- 袋の口を軽く閉じて、一晩〜1日ほど置く
- 取り出したら、乾いた布で重曹をしっかり払い落とす
重曹が白く残りやすいので、暗い色の製品は丁寧に払い落としてください。重曹を水に溶かして使う方法もありますが、合皮は水分が染み込むとコーティングを傷めることがあるため、粉のまま使うのがおすすめです。
③ 消臭スプレーを使う
手軽ににおいを抑えたいときは、布製品用の消臭スプレーも選択肢になります。
ただし注意点が一つ。合皮は水分に弱いため、大量にスプレーするとシミや変色の原因になることがあります。使うときは以下のポイントを守ってください。
ポイント
- 目立たない場所に少量スプレーして、変色やシミがないか確認してから使う
- 20〜30cm離して、薄く全体にスプレーする
- スプレー後はしっかり乾かす
- 「革製品OK」と書かれたものを選ぶと安心
④ 中性洗剤でやさしく拭く
汗や皮脂が原因のにおいには、表面を拭き取る方法が効果的です。
やり方
- 水で薄めた中性洗剤(食器用洗剤でOK)を布に含ませ、かたく絞る
- においが気になる部分をやさしく拭く
- 別の布を水で濡らしてかたく絞り、洗剤を拭き取る
- 最後に乾いた布で水分を取り、風通しのよい場所で乾かす
ゴシゴシこすると表面のコーティングが傷むので、やさしく拭くことを意識してください。バッグの持ち手やソファの座面など、肌が直接触れる部分を重点的に拭くとにおいが和らぎます。週に1回くらいの頻度で続けると、汗や皮脂がたまりにくくなり、においの再発も防ぎやすいです。
合皮の臭いを防ぐ3つのコツ
一度消臭できても、同じ環境で使い続けるとにおいは戻ってきます。日頃からちょっとした工夫を取り入れるだけで、においの予防につながります。
① 使ったあとは風を通してからしまう
バッグや靴など、外出先で使った合皮製品は、帰宅後すぐにクローゼットにしまわないのがポイントです。
汗や湿気を含んだままだと、雑菌やカビが繁殖しやすくなります。帰ったらまず風通しのよい場所に置いて、湿気を飛ばしてからしまう習慣をつけましょう。ファスナーやフタは開けておき、靴なら丸めた新聞紙を中に入れておくと、内側の湿気も吸い取ってくれます。
② 乾燥剤・除湿剤と一緒に保管する
クローゼットや靴箱にしまうときは、乾燥剤や除湿剤を一緒に入れておくと湿気対策になります。
バッグの中に小さなシリカゲル(乾燥剤)を入れておくだけでも効果があります。ビニール袋での密閉は湿気がこもるので避けて、不織布のカバーや布袋に入れるのがおすすめです。
③ 肌が触れる部分をこまめに乾拭きする
持ち手や座面など、直接肌が触れる部分は汗や皮脂がたまりやすい場所です。使ったあと、乾いた柔らかい布でサッと拭いておくだけでも、雑菌の繁殖を抑えられます。
シーズンオフのジャケットやあまり使わないバッグは、月に1回でも取り出して風を通してあげると、カビ臭の予防にもなります。
まとめ
合皮のにおいは、素材の特性や使い方によって起きるもので、正しく対処すればしっかり和らげることができます。
臭くなる主な原因
- 製造時の化学物質(接着剤・溶剤・可塑剤)のにおい
- 汗や皮脂の蓄積による雑菌の繁殖
- 保管中の湿気によるカビの発生
消臭の方法
- 風通しのよい日陰で陰干し(化学臭にとくに有効)
- 重曹をふりかけて臭いを吸着させる
- 消臭スプレーを少量ずつ使う(変色テスト必須)
- 中性洗剤で汗・皮脂を拭き取る
予防のコツ
- 使ったあとは風を通してからしまう
- 乾燥剤・除湿剤と一緒に保管する(ビニール密閉はNG)
- 肌が触れる部分をこまめに乾拭きする
「新品のにおいが気になる」という場合は、まず陰干しを試してみてください。「使っているうちに臭くなった」という場合は、重曹か中性洗剤拭きがおすすめです。ちょっとした手入れで、合皮製品を気持ちよく使い続けられますよ。
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